2019年の各電子チケットサービスの概要と業界のザックリした流れ

シェアしてくれたら嬉しいです。

ここ5年強、ずっと電子チケットの仕事にゆる絡みしていたので、色々と今までの流れとか知見はあると自負(現場レベルから)していて、過去にも何回か書いたり話したりした事はあるものの、ここで現在生き残っているサービスの(本当にザックリとだが)今までの流れを書いてみたいと思う。

ちゃんと書くともうそれこそロッキンオンの2万字インタビューとかになってしまうので、そこはご容赦いただきたい。ただし原稿料か佐藤美希とフットサルをやらせてくれたら書く。(もちろん打ち上げも込みだ)

スマホで便利な電子チケット

(フリー素材のぱくたそ)

現在も拡大する年間流通額が1桁~2桁億円の電子チケットサービス4社

まず日本で電子チケット各社が誕生したのは2011年~2012年に集中しているのだが、その歴史はまずPeatixから始まった。

Peatix

エンタメに限らずインターネットにより今までニッチと思われていた様々な趣味嗜好が顕在化し、それなりの規模で市場がある事がわかり同好の士としてSNSを軸に多くのイベントが開催されるよになってきた。

そこに合わせてSNSとの親和性を高め、シェア機能などC to Cとして使えるツールという側面が強い。初期はクラブイベントとWeb系セミナーが中心だったが、現在はWeb系に限らず一般イベント、セミナーでもまずはPeatixとファーストチョイスとな事が多い。しかしそのためか単価がそれほど高くはない。また、クラブ系はiFLYERの牙城を崩すほどではないようだ。

パスマーケット

Yahoo!グループが運営する電子チケットサービス。機能は初期から入場管理に絞っていて、指定席や抽選などは無かった。(現在は抽選機能がローンチされている)手数料も電子チケットサービスの中で最安となる3.24%だ。そのため、オールスタンディングのライブや全席自由席、テーマパークの入場券として使われる事が多く、またリフト券、クーポン券などシンプルな券売環境で勢力を拡大している。

ここは領域的にJTBのPassMe!と競合しているように見える。

イベントレジスト(イベレジ)

独自で運営を続けていたが、大規模な展示会やセミナーなどの制作も行う大和ハウスグループの伸和エージェンシーが出資し、展示会の受注から入場管理まで一気通貫で運営をしている。

これが差別化となり幕張メッセ、東京ビッグサイト、国際フォーラムなどで行われるイベントではよく見かける。現在は大規模ビジネスイベントではほぼ一択という状況のようだ。

LivePocket(ライブポケット)

avex(旧avex live creative)が運営しているだけあり、抽選、指定席、座席指定機能、音楽系イベントで使われる機能がもともと充実していた。現在は東京都の渋谷、新宿、下北沢、池袋などライブハウスが多いエリアを中心に大阪や福岡でも常設で機材が設置されている店舗があるなど、ライブハウスでの認知度は限りなく100%に近いようだ。

インディーズバンドで電子チケットを使いたいとなっても、ライブハウス側の受け入れは可能だろう。

中堅チケットサービス

勝手に中堅と言ってしまっているが、売上は不明な会社も多い。ただ動いているイベントの数や集客状況、サイトのPV数にSNSでの言及数や業界での噂も加味していくと、おそらくこう言っても差し支えないのではないだろうか。(間違ってたらごめんなさい)

EMTG

EMTG株式会社が運営。コブクロが所属する事務所と非常に関係が深く、他にもファンクラブやアーティストECサイトの運営なども行っていたが、2018年5月に携帯コンテンツを提供する株式会社エムアップに事業譲渡され完全子会社となった。

差別化としては初期からスマホの画面にスタンプを押すようなものがあったが、現在は各社が同様もしくはより便利な“もぎり“サービスをローンチしており、それほど効果を発揮していないように見える。

イベレボ

正式にはイベントレボと言って初期からサービスを提供しているが、知る限り当初から5年ほどずっとサイト上でベータ版となっており派生サービスなどもあったが、現在はベータ版も取れてロゴも新しくなっている。

また2018年末には手数料も改定し攻勢を強める気配を感じる。

イベレボが手数料を改訂

しかし、初期は企業や副業などセミナー系が多かったが徐々に他社に流れていき、現在は特徴らしい特徴を作れていないように見える。ここからどう攻めていくか。

チケットエブリイ

名前だけはよく聞いていたが、特徴らしい特徴が無かったが、現在は転売防止機能をウリにして頑張っている。

現在は大手エンタメ系イベントを中心に転売防止をどう実現するか? というポイントに社会的にも注目が集まっているが、顔認証や公式リセールなどが勢力を拡大しているので、ここからが勝負どころかもしれない。

https://ticket-every.jp/all/ticket/top/index

転売防止機能について:https://www.every-ent.co.jp/solution.html

TixeeBox

https://tixeebox.tv/

チケット受け取り機能でぴあと連携。電子もぎりに関連して3つの特許を取得済み。また登録商標として、tixeeⓇ、電子もぎりⓇ、もぎるⓇ、もぎりⓇ、スマートフォンチケットⓇ、スマホチケットⓇ

がある。

詳細:http://livestyles.tv/patent

このページに松田さんの名前が残っているのがTixeeを知っている身からすると非常に懐かしい。(後述のTixeeにて)

チケットボード

電通やらドコモやらが近いポジションにいるサービスで取り扱うチケットに傾向は見られないが、特徴もこれと言ってない。ドームツアークラスの券売を行うことがほとんどだが、初期の韓流などは正規に購入していてもエラーが出て入場できないなど、チケットボード→チケボ→チケ墓とネットで書かれるほどだった。未だにこの名前を出すと嫌な顔をする韓流ファンも一定数いる。

最近はエラーの話も聞かず、運営は継続されている。

CLOAK(チケットぴあ)とスマチケ(イープラス)

https://cloak.pia.jp/

これは電子チケットとは言いづらいかもしれないが、チケットぴあで購入したチケットの分配、発券に特化したアプリ。紙発券などをせずにスマホのアプリ発券が出来るため、電子チケットと分類してみた。

ちなみに、ここからさらにTixeeBoxに送る、セブンイレブン、ファミマ、ぴあの店舗などで発券や、リセールも可能となっている。

単独での流通額などは全く読めないが、チケットぴあは本体のシステム上、外部サービスを連携させるしかないのが難しいところか。

イープラスのスマチケも、イープラス上のイベントをコンビニ発券手数料や郵送料など不要でスマホアプリで発券できるもの。

単独で使えるものではないが、最近はスマチケ対応のイベントも増えてきている。しかしイープラス本体の手数料が一般的な電子チケットサービスよりも高いため、ポジショニングとしてはプレイガイドと電子チケットの間辺りと言える。

チケポン(ユニエイム)

https://uniaim.co.jp/service/tickepon/

セキュリティの高い招待状の送付や来場者の受付を管理するシステム。

LINEと連携しているので、LINEで招待状を送れる。

音楽イベントなど、関係者を招待する機能は重要なので、需要はあるので独自よりも他社との連携ができれば一気に広まる可能性を感じる。

PassMe!

JTBが運営する電子チケットサービス。JTBのメリットを活かして日本各地の観光地やテーマパークのチケットをクーポン化して販売、旅行需要とも相まって拡販し、実は流通額が非常に高いがあまり一般には知られていない。(電子チケットというイメージにマッチしないかもしれないが)

運営が終了した電子チケットサービス

実は上記の中にも単独での営業状況は厳しいものもあり、初期から展開していた各社の間でも「一気にたくさんのサービスがローンチして、現在も生き残っているのは少なくなったよね」という話も出てくる辺りにスタートアップの厳しさを感じている。

仕方ないと言えば仕方ないが、思ったよりも日本のユーザーは手数料の安い電子チケットよりも思い出として残る紙チケットが好きなようだ。(5,000円のチケットで手数料が500円を超えるとしても!)

Tixee

実はPeatixとほぼ同時期にスタートしたTixeeは、日テレなど各社から出資を受けたが、株主の意向が働いたのか、大規模イベントを中心に営業を進めるが壁を超えるほどにはならず、運営するLive Styles inc.の社長交代を経てDMMに買収され「DMM.E」と名を変える。

一定期間はTixeeとDMM.Eが並列で運営していたが、Tixeeはその後終了しDMM.Eのみとなる。DMM.Eは手数料を外に公開していなかったが、大規模のエンタメ系イベントでは手数料をかなり安くしているという噂は漏れ伝わってきたが、1年ほどでサービスを閉じることになる。

現在はTixeeの代替サービスとなるTixee Boxを自社で運営中。

また何かあれば追記していきたいと思う。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアしてくれたら嬉しいです。

フォローしたらいいことあるかも

スポンサーリンク
スポンサーリンク